名作は今日生まれているのかも

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書評や感想を読むのも読書好きにとって日々の楽しみの一つでもあります。そういったものも掲載しているのが、小説雑誌です。月毎、週毎、隔月ごと出版されるにこれらを「全部欲しい!」と思うのですが、流石に千円近くのお金を湯水のごとくざんざか使うわけには行かないので、好きな作家さんで厳選をしたり、特集を見て決めたりします。
その中でもデザインとかが気に入って一冊だけ、逃さず購入しているのがあって、それは、コアなとてもマニアックなものなので、近くの書店がどこも入荷していなく。わざわざ遠い書店に行ったりしていたので、去年の暮れから一大決心というほどのものではないのですが、迷った挙句に定期購読を始めました。そのおかげで、家のポストを覗くのがとっても楽しみになったのです。
買いに行くのも好きだけど、自宅に届けてもらうのもなかなかいいものなんです。旬の作家さんや新人さんの文章を読むのにもいいキッカケにもなるんで、とても重宝しています。文章はある意味でナマモノだとおもうので、新しいうちに味わうのもよろしいかと最近になって思います。その中でも、何年経っても、たとえ時代が移ろっても味が落ちない一品が後世にも残っていく珠玉の一作となるわけだと考えています。

小説系

おいしさは上手くいかない!

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小説に出てくる食べ物というのはどうも、とっても魅力的です。特に、時代ものに出てくる質素ながら、素材の味を贅沢に活かした料理の数々、思わずほっぺたがこぼれ落ちそうになります。目で見ているわけでもないのに、漂ってくる匂いと食感がすごいです。こういうのを文章で表現できる作家さんをものすごく尊敬します。お腹は膨れないし、ある意味では空腹感が強くなってきてしまい、ダイエットには向かないけれど、満たされるものがあるのです。
海外小説でも同様なのですが、たまに全く想像ができない不思議な料理名が出てきたりします。「これはどんな味なんだろう?」 という空想をするのもとても楽しく、この前、同じ読書好き仲間と会話をした時に「じゃあ、自分が思うこの料理を何のレシピも見ずに作ってみようか」という事になり。試してみることになりました。
用意するのは、その国でよく口にされるという食材の数々で、味付けも同様です。わからないところは妄想力で補いながら調理スタートしました。
お互い、出来上がり食べてみると「ま、まずい・・・」と絶句。やはり、異国の料理はレシピ本をみなければ分からないね、という結果に。だいたい作っている時点で分かっていたのですが、予想通りの出来にがっくりと肩を落としてしまいました。

小説系

出会いはいたる場所に

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書物のリスペクトが秀逸な病院や美容院はとてもいい場所です。この前、耳鼻科に行った時、たまたま持っていたのを最後まで読み終えてしまい、ぐるっと待合室を眺めると端っこの方に本棚が! 私はいそいそと近くによりました。何があるのかをざっと見回すと、面白そうなのが横一列に揃っていて思わず生唾を飲み込みました。一番左端のものを拾ってパラパラと捲ると、これはとっても私好み。早速、椅子に座って至福の時間のはじまりです。
ちょうど混んでいる時間帯だったせいか、かなりの待つ感じだったので、好都合です。「まだ呼ばないで」「もう少し、このままでいさせて!」と気付いたら3分の1ぐらいのページ数。名前を呼ばれた時、思わず看護婦さんを睨んでしまうほどでした。
名残惜しくも立ち上がり病室へ。診察を終えて、再び取ろうとしたら、無いのです!
「あれ?」と思いキョロキョロすると、向こう側に座っている女性の手の中に! 「やられたぁ」と思いながらも、診察代金を払ってから本屋に駆け込み購入。その後はカフェでお茶しながら最後まで読破しました。そして、また鼻や耳に異常を感じたらあそこに行こう! と決意。いいものを置いてあるお店は私にとってお気に入りの場所です。

小説系

まとめて鑑賞するのもアリ?

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友人でミステリー小説を結末から読む人がいます。私は邪道だと思うのですが、その人はそれが何より楽しいのだそうです。「結末を先に知ったらつまらなくない?」と聞いたのですが、彼はなんでも、ドキドキするのが苦手なのだとか。安心して読み進めたいと言っていました。その場にいた違う子が「分かる!」と同意し、私は驚きました。「え、なんで? どうして?」と尋ねると「まさか最後からは読まないけれど、漫画とかドラマとかきちんと完結してから一気に観たい派だな。だから、リアルタイムよりも少しおくれて一挙にバーっと楽しみたい! 待つことができないの」と言います。その気持は私のもなんとなく分かりました。
確かに、毎週少しずつって、とっても焦れったい。でも、そのジリジリする感じもなんともいえずいい感じがします。気になって仕事や家事に手がつかなくなったり、妄想してしまうことはあるけれど、でもそれさえも待機する醍醐味というか。と、悩んでいると、話は流れて恋愛の事に。「恋もそうかも。絶対イケると思った時にしかが~っていかないな」「私もそうかも」と二人が話しているのを聞いて、じゃあ自分はどうだろう、と悩みました。
人それぞれ、いろんな考え方があって面白いなぁ。と思いながら、目の前のビールを一気飲み。うん、ビールはイッキに限ります。 

小説系

永遠の輝きはダイヤだけではない

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「遺作」というものを読んでいると、偶に、猛烈に歯がゆくなってきます。全身を掻きむしりたいほどに。もっとこの作家の沢山の作品が読みたかったのに、なぜお亡くなりになってしまったのか! という、理不尽な怒りが沸々とこみ上げてくるのです。人の世というのはなんて短いのでしょうか。人生は地球の歴史規模でみたら限りなくあっという間です。気付いたら生まれて、死んでいたという、一瞬間のもののような気がします。特に、文豪にはその感が強いのです。
油が乗って、これからという時にこの世を去ってしまったり、書きかけのまま逝ってしまったりと、なぜ終わりがあるのか。こんなに優れた作品を作ることのできる逸材をどうしてこんな無慈悲な! 大きなものに対して反発してしまいます。
しかし、その一方で、亡くなってしまっているからこその著作の輝きというものも否定出来ないのです。それは、褪せることのない、永遠の輝きを放っているのですから。自分が死んでしまっても、その後の人々が己の遺したものに感動してくれたりしたらどんなに幸せなのだろうと、そういう意味では限りなく羨ましくもなります。もっと生きていてくれたら、と儚んでくれる人がいる。それだけでいいのかもしれません。

小説系

強烈な感覚

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「夢十夜」ではありませんが、こんな夢を見ました。ワラスボという魚がいて、それを必死に獲っているのです。専用の捕獲道具を使い、延々と背中の背負籠に入れていきます。可愛くないというか、独特な面構えといいますか、要するに、エイリアンじみているのですが、れっきとした食用です。佐賀県近くに生息しています。それをずっと海の泥の中をかき回しながら求めているのです。
起きると、枕元には異世界生物との対戦小説が置いてありました。「これのせいか」と憎々しく思いながらも起き抜けに2,3ページ読んでから出勤します。なんとも、寝起きの悪い朝です。その日の昼食は魚介類が食べられませんでした。
ふとした時に、あの顔が頭に浮かびます。その度に眉をしかめ、首をふり、思考の中から追い払います。やがては、仕事場の上司の顔がワラスボに変わって見えます。帰宅してから、寝支度を整え、ベッドに横になります。そして、あの悪夢の元凶を開きます。そして物語の奥深くに入り込み、いつしか眠りに落ちます。その日は何も見ませんでした。次の日、少し味気ない気がします。もう後味の悪い思いは残っていないのですが、不思議です。慣れてしまったのか、なんなのか。上司もいつもの人でした。

小説系

やっぱり映像よりも紙派です。

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この前、初めて洋画の3D映画を友達と観に行ったのですが、三半規管が抜群に脆弱な友人は、早くも最初の10分やそこらでダウンしてしまいました。裸眼では、画面が二重にみえてしまうので、どうしても物語に入り込めず切ない思いをしたと、上映が終わり、施設を出てから立ち寄ったカフェで話していました。画面から飛び出してくるように観えるので、躍動感がものすごいのです。それだけに、その臨場感を味わえないのはとても可哀想だなぁ、と同情します。「次からは2Dにしようね」と慰め、お開きになりました。
しかし、私も、ホラーなんかは絶対に観られないのだろうな、と思います。多分、とてつもなくド迫力で怖いです。まだチャレンジしていないのですが、おそらく確実に途中で席を立つことでしょう。
しかし、映画もいいのですが、やっぱり私は小説派です。飛び出さない、音声がない、動かない、それでも、文字を追うのが一番好きです。自分のペースで進められるし、想像の余地がありますから。浮気はしてもちゃんと本妻のところに戻る亭主さながらに、その帰りは書店に立ち寄り、面白そうなものを何冊かを購入してから帰途につきました。目は疲れているけれど、ゴロゴロしながら楽しむ。これが最高の贅沢なのです。

小説系

人の趣味は千差万別

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学生時代、マンガやアニメに青春を傾けている友だちがいました。この前、その友人をフェイスブックで見かけて読んでみると、相変わらずその趣味は健在のようで「同人活動」なるものをしているらしいのです。好きな作品のキャラクターを使って自分で考えたストーリーで動かすらしいのですが、小説本を出しているとのことでした。ちょっと気になったので通販で購入して目を通すと、とびきり面白いのです。元の作品を知らなくてもじゅうぶん楽しめる内容になっていて、継続はまさに力なのだな、と感じました。
早速、原作を書店で購入すると、ストーリーが全然違って驚きました。これを元にあれを考えたのか、と衝撃を受けたのです。完全なるオリジナル作品に仕上がっていて、「別に人物を借りてこなくてもいいのでは?」「オリジナルとして作ってしまえばいいのに」と思いました。
SNSを使って感想を書くと「ヤバい! やめて! 恥ずかしいから! なんで買うの!!」と返ってきて「でも、すごく良かった。独自のものを作ればいいのに」と送ると「それだとね、読者がつかないんだよ。それに、好きでやってることだしね」と。そっちの世界にもいろいろな事情があるんだろうな、と思いつつ、本棚に飾りました。表紙が周りのものと少し浮いているけど、お気に入りの一冊です。

小説系

ちょっとだけゾッとする話

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怖いのは嫌いなのに、読んでみたくなります。ホラー小説を。最近読んだのは小野不由美の「残穢」です。これ、本当にフィクション?と思ってしまうようなリアルさが恐ろしかったです。「屍鬼」のような、集落が突然襲われるジワジワしたもの、低年齢向けですが惹きこまれる「ゴーストハント」も大好きです。「ゴーストハント」は新装版が出て購入しましたが、夜、電気を消すと、ぽっと暗闇に光る装丁がそれだけでちょっとブルブルします。他には京極夏彦作品も好きで、「嗤う伊右衛門」には度肝を抜かれました。四谷怪談のパロディーのような作品なのですが、とてもいいお話です。
怖い、といえば、先日ある奇怪小説を読んでいた時の事です。突然、箪笥の上に乗っていた小物が落ちてきたことがあります。そんな淵に置いてあったわけではなかったのに、なぜか突然に。勿論窓は閉めていました。ちょっとだけ、寒気がしました。そういえば、友人の話なのですが、昔、書店で働いていて、仕事の途中に「神の子供たちは皆踊る」という本が棚から落下したそうです。その日その後に少し大きめな地震が来たらしく「なんか偶然ってすごいな」と言っていました。それは阪神大震災のオマージュ的な地震にまつわる短編集だったようです。

小説系

文学に浸る冬景色

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新幹線の車両の中で、雪がこんこんと降っている窓の向こうを見つめていると、川端康成の「雪国」がふいに浮かんできます。雪化粧が施された風景はなんとも情緒的で、主人公になりきって曇った窓を手で拭いたり、見通しの良くなって鏡のようになるそこを覗いて、反対座席の人の顔を眺めたりしてしまいます。
中学、高校生ぐらいの素朴な女の子を見かけたりすると、こんどは芥川龍之介の「蜜柑」を思い出し、外国の方を見かければ夏目漱石の「三四郎」、お腹がすくと何故か内田百閒の「阿呆列車」が。これは「ご馳走帖」の影響もあるのかもしれません。
行く先々、体験する事によって、そういえば、あの場面!と思いだしては登場人物や情景に浸り、ノスタルジーに想いを寄せる事がよくあります。
辛い事があったら、小林多喜二の「蟹工船」や山本茂美の「ああ野麦峠」を思い浮かべ、あんなに辛い目にあう人もいるのだから、私はまだマシ!と自分を立て直したりもします。「ああ野麦峠」といえば、1979年に大竹しのぶ主演で映画にもなりましたが、ずっとビテオ&DVD化がなされませんでした。それがついに、2004年4月に販売を開始しました。幻の戦後ルポルタージュがついに自宅で観られるようになったのです。重く切ない内容ですが、一見の価値ありです。

小説系
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